
短調を悲しく弾くには
レッスンをしていると「短調って悲しい曲なの?」とよく聞かれます。たしかに短調は切なさや陰りを感じさせますが、「悲しい気持ちで弾こう」と思うだけでは、なかなか音に出てきません。
私が伝えているのは「力を入れるより、少し“抜く”こと」。
和音を強く弾きすぎると怒っているように聞こえてしまうけれど、息を吐くようにやさしく弾くと、自然に切なさが生まれます。
短調の悲しみは暗さだけではなく、しっとりとした優しさや温かさも含まれています。そう感じながら弾くと、音楽はもっと豊かに響きます。
今日のレッスンでも、生徒さんが短調を切なく、美しく奏でてくれて、私の心までじんわりしました。