ピアノを習うということ(後半)
前回の続きです。
私の
「行きたくもないレッスンに行く」
という言葉を聞いたピアノの先生は激怒しました。それからのことはあまりにも壮絶だったので記憶が断片的ですが、土下座したような覚えがあります。(昔の先生は厳しかった…)私だけでなく、母も土下座していました。
私はこれでもう無理だ、どうして私たちがここまで惨めな思いをしなければならない?私のせい?私がピアノを弾きたくないから?じゃあなんのためにピアノを弾くの?先生のため?親のため?
でも、ピアノに関わっている限り、親にもこうして迷惑しかかけていないじゃないか。
・・・こうして私はピアノから離れる決意をしました。
やめてしばらくは本ッ当にピアノには触りませんでした。軽くトラウマになってしまっていたので。。
月日が経ち、高校に入った私はある日音楽の先生から「今度の合唱部のコンクールでピアノ伴奏をしてほしい」と言われ、今は本格的にやってないと断るつもりで言ったのですが、「あなたがピアノを遊びで弾いてるのを聴いたが、あれだけ弾ける子は他にいないから」と言われ
私は嬉しくて恥ずかしくて、すこし憂鬱で。複雑な思いでした。
でも、それがまたピアノを弾くきっかけになりました。私がそれまでやってきた技術はこうして生かされ、なによりも、それから自分が弾きたいと思うことが増えました。
ここからピアノと本当に向き合えたのかもな、と思います。
ピアノを習うにあたって無駄なことは一切ないと思っています。ただ、一番大事にしてほしいのは、自分が、ピアノを弾くことが好きか、ということです。
生徒の皆さんには楽しい音楽ライフを送っていただきたい。自分の心の音にも耳を傾けてください。